東海道・京都まで歩いて行ってみた

【東海道・徒歩の旅4】静岡~愛知


東海道・徒歩の旅3から

2016年12月23~27日

年末の連休に、静岡を横断!

東海道の旅も4回目。
今回は年末の連休を利用して、静岡を一気に横断することにしました。

この頃にはすっかり旅慣れてきたので、出発が楽しみでしかたがありませんでした。

旅が楽しくなった一番の理由は、体力が付いてきたからです。
1日に20kmぐらいなら安定して歩けるようになったので、
「徒歩旅=苦しい物」
という認識がなくなっていったのです。
それに、絶対に着かないと思っていた京都も、少しずつ近づいてきているのを実感してきました。
日本地図で見ると、「京都」の二文字が決して遠くなくなっていたのです。

今はとにかく、遠く遠くへと歩きたくて仕方がない気分。

10日目 静岡駅~藤枝駅 (24.8km)

安倍川駅から旅を再開。
山に囲まれた国道1号線を歩きます。

   

ランチは小エビ天そば。エビがぷりっぷりで美味でした。

途中、静岡抹茶スイーツのお店「ななや」というお店を通りかかりました。

「ここが『ななや』か」
旅の出発前、静岡出身の知人に「静岡のおすすめグルメはありますか?」
と聞いたら、まず上がったのが「さわやか」と「ななや」というお店でした。

お店の名物は「藤岡抹茶ジェラート」。味の濃さがNo.1からNo.7まで選べるという、こだわりあふれるジェラートが楽しめます。
「初めての人はNo.3がオススメ」ということで、「藤岡抹茶ジェラートNo.3」を注文。

それは今までに食べた抹茶アイスで、1,2位を争うおいしさでした。
口に入れると、抹茶の濃厚な味と、芳醇な香りが口いっぱいに広がります。まるで、おいしいお茶をそのまま食べているような気分!
舌の上で溶けるようなもっちりした食感も、濃厚な味を引き立ててくれます。

夜、「島田駅」のホテルに到着。

適当なそば屋に入ると、カツ丼を注文。これが予想以上のおいしさでした。

甘い出汁がカツにも卵にもトロトロにからんでいて、ふんわりした風味。
そばの出汁を使っているからか、そば屋のカツ丼は他のお店よりもおいしい気がします。

1日で2件もおいしいお店に出会えて、大満足です。
「もしかして、静岡っておいしいものがいっぱいあるんじゃないかな?」
という、明るい予感がしました。

今回の旅では、「jazztronic 七色」をずっと聴いていました。

曲のテンポと歩くスピードが一緒で、この曲を聴きながら歩くとハイになれました。

11日目 藤枝市~掛川市

「大井川」と呼ばれる、長い川を通過。
川幅がものすごく広くて、渡るのに20分ほどかかりました。

当時、大井川は東海道の難所だったのだそう。
川が増水すると2~3日は足止めを食らってしまい、
「箱根八里は馬でも越すが越すに越されぬ大井川」と唄われていたとのこと。

川を越えると、静岡の一部で流行っているという「朝ラーメン」という食文化にチャレンジしました。
行ったのは「らぁ麺 めん奏心」という、営業時間が9:00~14:00のお店。まさに朝ラーメン専門店です。

 

列ができており、20分ほど待ってから入店。「丸鶏中華そば」を注文。

化学調味料を一切使っていないスープは、鶏だしの旨味が濃縮された、優しい味。
食べごたえを出すため麺はもっちり食感で、チャーシューやメンマが厚切りになっていました。

朝でも食べやすい、スッキリした味でした。それでも、ちょっと朝からラーメンはキツイかな……

その後は、茶畑に囲まれた道をお散歩。のどかでとても静岡らしい景色でした。

 
 

小さな道を歩いていると、たまに「この道で合っているのか?」と不安になります。
そういう時も、東海道専用の標識のおかげで、迷わずに歩けました。
なんだか、見えない誰かに導かれているような気分で、楽しくなります。

道中は「栗ヶ岳」という山肌に大きく「茶」と書かれた、存在感バツグンの山を発見。
何時間も視界に写るので、脳裏に焼き付いて離れなくなってしまいました。

夕方。掛川のホテルに着くと、「さわやか」と呼ばれる炭火焼きハンバーグのお店へ。

   

このお店を教えてくれた人が
「大人気のお店なので1~2時間待ちは覚悟してください!」と言っていたので、恐る恐る行ってみたけれど、奇跡的に待ち時間ゼロで入れました。
「げんこつハンバーグオニオンソース(中は赤く)」をオーダー。

 

今までの人生で食べたハンバーグの中で、一番おいしいハンバーグでした。
肉がまるでステーキみたいな噛みごたえで、ものすごくジューシー。噛めば噛むほどひき肉の旨味があふれ出します。
香ばしいオニオンソースとの相性もバツグンで、食べている間ずっと幸せな気分だった。
中の肉はほぼ生肉なのだけど、これが普通においしいのです。

帰るとホテルで就寝。この日は12月24日でした。

12日目 掛川市~磐田市

ひたすら新幹線の線路沿いを歩くという、ちょっと退屈な道のりでした。
新幹線が通り過ぎるたび、ゴオッという、耳をつんざくような音と、お腹に響く地響きが鳴ります。
線路のすぐそばに民家が建っているけど、うるさくないのでしょうか?

夕方、天竜川を通過。全長が長い川で、暴れ川として有名だったそう。

橋を渡ると「ようこそ中野町へ」と書かれた看板を発見。
この町は東海道のちょうど中間点にあるため、「中野町」と名付けられたという。

ようやく東海道を半分越えたという実感が、じわーっとこみ上げてきました。
この旅も、ようやく折り返し地点に入ったのです。

夜。ホテルの近くに地元グルメの店がなかったため、焼肉屋で食事。

「鶏せせり(塩)・豚タン(塩)・豚トロ(塩)」を食べてたったの1,440円。幸せです。
帰り道、「三重」と書かれたプラガードを掲げたヒッチハイカーを見かけました。

13日目 磐田市~湖西市

道路がまっすぐに伸びた道を歩きます。
道が地平線の果まで続いており、どんなに歩いても終わらず、少し気が遠くなりました。

   

昼、浜松駅を通過。

 

昼食に「五味八珍」というお店で醤油ラーメン&浜松餃子を食べました。

 

カリッとジューシーな浜松餃子と、あっさり醤油ラーメンのコンビが相性バツグン。
本当に、静岡はおいしいものしかないなと感動。

そういえば、あれだけ茶畑を見てきたのに、まだお茶を飲んでいないことに気づき、近くのお茶屋へ。

「牧の原茶」を飲みます。
苦くもなく渋くもなく、ちょうどいい味わいでした。

続いて、浜名湖&弁天島を通過。

14日目 湖西市~豊橋市

静岡を出て、ついに愛知県豊橋市に突入しました。
静岡県を通過するのに9日間もかかったため、静岡を出るのは名残惜しかったです。

景色がキレイだし、海も山もあるし、食べ物がおいしいし、冬でもそんなに寒くない。静岡はとても良い場所でした。

この日は5日間も歩き通しだったため、疲労がたまってきました。
そんな中、天気は雨で、ちょっと気持ちがくじけそう。

最後の栄養補給に、「コウヨウ館」というお店でランチ。オムライス(串かつ付)を注文します。

オムライスは玉ねぎが大きめに切ってあり、デミグラスソースが甘め。
卵のやわらかさが絶妙で、トロトロなのに歯ごたえがあっておいしかったです。

あとはゴールの豊橋駅までひたすら歩きました。
旅の最終日は、いつもそわそわした気持ちになります。
旅が終わり、また日常生活に戻るという切ない気持ちと、
「もう歩かなくて良いんだ!」という嬉しい気持ちなどがごちゃまぜになって、いてもたってもいられなくなるのです。

午後2時、豊橋駅に到着。空はキレイに晴れていました。

帰りの新幹線。
車窓の景色を見ていると、新幹線が自分が歩いた道を通ることがありました。
苦労して通った道だから、見ていると「あっ、あそこは歩いた道だ!」と、嬉しくなります。

今回は初めての5日旅。
ケガしたり、疲れて歩けなくなったりすることもなく、無事に終えることができてホッとしました。

京都までの距離は残り210km。1日25km歩いたとして、9日ほどで到着できるレベルまで来ています。

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