北海道・電車で一周の旅

【北海道・電車で一周の旅】苫小牧~十勝へ ~2日目


「出発の日」~1日目から

苫小牧港へ

午前8時35分。「もうすぐレストランの営業を終了します」という船内アナウンスが流れたので、あわててベッドから出ました。

レストランに行くと
・ご飯大盛り(+ふりかけ)
・味噌汁
・ウィンナー
・味付けのり
・コーヒー
・リンゴジュース
という、品種多めの贅沢な朝食をとります。

子どもだった頃、バイキングで食べきれない量を取って怒られた記憶があるけれど、
どうして大人になるとちょうどいい量だけ取れるんだろうなと、どうでもいいことを考えました。

いつの間にか、体は船の揺れにすっかり慣れていました。
食器を片付けると、デッキに出て海風に当たります。

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潮の匂いはしないけど、風が冷たくて気持ちいい。
今日も海面を覗いてみると、海の波が泡立って、
ぞっとするような濃淡な青色になることがありました。

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部屋に戻ると、昼まで寝ました。

午後1時。到着時刻が近づいきたので、再びデッキに出てみました。
すると、前方にうっすらと陸地のようなものが広がっています。ついに北海道が見えてきたぞ。
天気は小雨だったけれど、雲が白く光っていて、妙に明るかったのが印象的でした。

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港が近づくにつれ、船は徐々に減速。それにあわせて、船の揺れもおさまっていきました。
わたしは乗り物に乗っている時の、目的地が近づいた時のエンジンの減速具合が好きです。
「ああ、もうすぐ到着なんだ」という、ワクワクした気持ちにさせてくれるから。

午後1時半。さんふらわあ号は無事に苫小牧港に到着。
船とターミナルを結ぶタラップを歩いている間、
「これはまだ、東京の空気なんだぞ」と、自分に言い聞かせました。

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フェリーターミナルから外に出た瞬間、顔にひやりと冷たい風が吹き付けてきました。
これが生まれて初めて感じる、北海道の空気。

苫小牧港~苫小牧駅へ

午後1時50分。苫小牧駅へ向かうバスに乗りました。
今から2時18分までに駅に行って、そこから札幌行きの電車に乗らないといけないのだけれど、間に合うかな?
バスはゆっくりと、時々信号に捕まりながら走ります。

バスを下りると、走って駅のホームへ向かい、特急列車に乗車。
切符は「北海道フリーパス」というものを使用しました。
これは1週間、道内の特急列車やJR北海道バスが乗り放題という便利なもので、値段は2万5千円ほど。

車窓から民家を眺めていると、あることに気づきました。
北海道では、どの家の屋根も「完全に平坦」になっているか
「『への字』のような形をしているか」の、どちらかなのです。
これは、雪下ろしをしやすくするためでしょうか?

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また、関東で見るような瓦ぶきの家や、古い木造の家はまったく見かけませんでした。
これも、積雪のせい?
見なれない形の家が立ち並ぶ光景は、国内なのに異国情緒が感じられて面白かったです。

午後3時9分。札幌駅に到着。でも、今は札幌駅では降りません。

電車をいったん降りると、ホームにある弁当屋でSL弁当というお弁当(1,100円)と、
お茶を購入。

午後3時半。車内清掃が終わったので乗車。
お腹が減っていたので、電車が発車しない内から駅弁をかっこみます。
「駅弁というものは、車窓からの風景を眺めながら優雅に食べるものだ」
と誰かが言っていたけど、そんなこと気にしません。

SL弁当はカニ、ウニ、いくらなどの海鮮ネタが豊富で、箸が進みます。

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あとは2時間ほど電車に乗って帯広の
「新得駅」という小さな駅で降りる予定でした。
昨日から移動ばかりで疲れていたので、布団の上でゆっくり休みたいです。

午後5時46分。電車は新得駅に到着。
駅員さんが改札口に立つ手動改札を抜けると、1人の男性と目が合いました。

その人はこれから泊まる「こもれび」というゲストハウスのオーナーで、30代の男性でした。
彼はどこか若々しくて、ペンションやユースホステルを運営する人特有の
「大人になっても子ども心や冒険心を持ち続けている人」の顔をしていました。

わたしは小屋ほどもありそうな大きさのワゴンに乗り込むと、宿まで送迎してもらいました。

車で20分ほど走ると、広大な田舎道が眼の前に出現。
それは、すべての道が地平線まで一直線に伸びている道で、あまりの感動に
「すごい!」とか「広い!」とか、子どもみたいな歓声を何度も上げてしまいました。

ある草原には、タイヤを縦に置いたような丸いビニールの物体がいくつも転がっていました。
あれはなんですかと聞くと、家畜が食べる牧草とのこと。

DSC00917(参考写真)

ゲストハウスに到着

牧草地帯や畑を越え、狭い農道を通り抜けると、ゲストハウス「こもれび」に到着。
宿は使われなくなった民家を改装したものだそう。

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車を下りると、辺りからグェグェというカエルの低い鳴き声が聞こえます。
「6月なのに、もうカエルが鳴いているんですね」と言うと、
「これはカエルではなく、セミの鳴き声ですよ」と言われたので、びっくり。
この鳴き声の主は「エゾハルゼミ」という、北海道特有のセミのものでした。

リビングには、2人の宿泊客がくつろいでいました。

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1人はバイク旅をしている小柄な中年男性で、不動産管理の仕事をしているそう。

もう1人は海産物の加工食品の会社で働いているという、体つきのがっしりした青年。
「コンビニに置いてあるおつまみは、たいてい俺の会社が作っているんですよ」と、
青年は得意げに言いました。

宿泊帳に記帳すると、シーツと枕を受け取って2階の部屋へ。
部屋は和室の6人部屋で、さっきの2人と相部屋でした。

布団を敷くと、しばらく横になりました。ああ、久しぶりに休めた気がする。
やっぱり船の中で寝るよりも、やっぱり地上で寝るほうがいいな。

午後6時半、夕食。メニューは
・鶏肉の煮物
・ほうれん草とベーコンのスパゲティ
・鹿肉のトマトスープ
・野菜サラダ
・キノコのマヨネーズピザ
と、とても豪勢なものでした。特に鹿肉と鶏肉がやわらかくて絶品で、手が止まりません。

食事が終わると、宿の人たちと談話。

食品加工の青年は愛媛の出身で、たまに出張で北海道に来るとのこと。
最初はビジネスホテルを利用していたのだが、1人で寝泊まりするのは寂しいので、
こういったゲストハウスを利用するようになっていったそうです。

仕事では「味が良くなかった」という客のクレームに対応するためだけに北海道に行ったとか、
本州にフェリーで帰ってきた直後、また仕事が入って北海道にとんぼ返りしたとか、社会人としての忙しさを語っていました。

相部屋で就寝

夕食後、お風呂に入ると、部屋に戻って寝ました。
今日も体がこわばっていて、なかなか寝付けません。
しばらくして相部屋の2人も部屋に入ってきたけれど、そのことを意識するとますます眠れなくなるので、
眠ることだけを考えました。ゲストハウスの
「カギのかからない部屋で、知らない人と寝る」
というシチュエーションが、神経質な自分にはキツい……。

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