北海道・電車で一周の旅

【北海道・電車で一周の旅】 「ばんえい競馬で勝負」 ~3日目


十勝千年の森へ ~3日目から

手に汗握る勝負。ばんえい競馬を鑑賞

豚丼屋を出ると、バスで「十勝競馬場」へ。

碁盤の目の形をした町を、バスはカクカクと直角に折れ曲がりながら走ります。
道路標識に表示されている住所はどれも、「西13南9」とか「西9南11」などと表示されていて、
まるで宝の地図に書かれている暗号のよう。

十勝競馬場へ到着。馬がそりを引く「ばんえい競馬」は、ここでしか見られません。

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競馬場では男たちが、真剣な表情で電光掲示板のオッズ表をにらんでおり、
空気がピリピリと張りつめているのを感じます。

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競馬はまったくの初心者なので「初心者コーナー」に行くと、
スタッフに馬券の買い方を教えてもらいました。

出走まであと3分ほどしかないため急ぎ足の説明だったけれど、とにかく
「マークシートに馬の番号や馬券の種類を書いて」
「賭け金を払えばいい」ということがわかりました。

説明が終わると、オッズが一番低い「黒の2番」に単勝で賭けます。
券売機にマークシートを入れて掛け金100円を払うと、馬券がするっと出てきました。
馬券の購入というと、窓口の人に「5番、単勝!」とか伝えるイメージがあったけど、
いつの間に券売機という便利な物が導入されたのだろう。

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馬券を受け取るのと同時に、レース開始を知らせるファンファーレが聴こえてきました。
すぐに外へ出ると、レース場へ。

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ファンファーレが鳴り終わっても、すぐにレースは始まりませんでした。
しばらくの間、緊張感溢れる沈黙が降りたかと思うと、突如レースがスタート。

がしゃんがしゃんと、大柄な馬たちがそりを引いて走っていく光景は圧巻でした。
馬がそりを引くと、しゃんしゃんという鈴のような音がします。その音が何重にも響くと、
まるでサンタが大挙して町に押し寄せたようです。

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わたしが賭けた黒の2番は好スタートを切り、先頭を突っ走っていました。
たった100円とはいえ、自分の賭けた馬が1位で走っていく様子を見ていると、
興奮して体が震えましたた。(払い戻し率は、およそ5倍)
もし、これが1万円の賭けだったら、嬉しさのあまり気絶でもしてしまうかもしれません。

馬たちの進むスピードはゆっくりなので、馬に合わせて歩きながらレースを見ることができます。

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馬たちはゆるやかな坂が待ち受ける、「第1障害」へ。

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第1障害を越えると、レースの途中にもかかわらず、馬たちは立ち止まって休憩を取ります。
馬たちは口を開けてあえぐように呼吸をしており、相当に疲れている様子。
馬たちが休む間、レース場は息を殺したような静寂に包まれました。


休憩して体力を回復しつつ、馬たちはより大きな第二障害に挑みます。
そして障害を乗り切ると、一頭ずつゴールしていきました。

レースの終盤では、わたしの後ろから
「そのままっ、そのままっ!」という、見知らぬのおじさんの祈るような声がしきりに聞こえてきます。

2番の馬は後半でバテてしまい、おしくも3位に転落。

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ハズレ馬券をよく確認してみると、レース番号が間違っていることに気づきました。
わたしが買ったのは、次のレースのものだったのです。
となると、自分は1円も賭けていないレースを、固唾を飲んで見守っていたことになります。

レース表を確認すると、次のレースは午後3時55分開始。駅に戻るバスは、午後4時2分発だから、
次のレースも見ていくことにしました。

レース表には「陽子、俺と結婚しようレース」という、ちょっと甘酸っぱいレース名を発見。
今日、どこかの誰かがプロポーズしたと思うと、なんだかこちらまでドキドキしてしまいます。
陽子という人は、この昭和の香りがするプロポーズに、どんな返事をしたのだろう。

次のレースに向けて、新しい馬券を買うことにしました。今度は「複勝」で4-8の馬に賭けます。
複勝とは、4番か8番のどちらかが3位以内にゴールすればいいという、払戻率が低い代わりに、
とても当たりやすい賭け方のこと。掛け金は今回も100円。

そして、第3レースがスタート。間違って賭けた単勝の2番と、複勝の4-8が好スタートを切ります。

レースの結果、4-8の券が当たり。配当金は230円と、子供のおつかいみたいな額です。
払い戻しを受けた時には、バスの到着時間を2分ほど過ぎていたけれど、なぜか乗車できました。

帯広駅に戻ると駅の物産展で休憩。
館内には自分が旅に出るきっかけをくれた、『銀の匙』のアニメポスターが貼ってありました。
そういえば『銀の匙』は帯広が舞台だったな……でも、聖地巡礼とかは興味ないかな。

午後5時半。「下士幌小学校前」という停留所でバスを降りると、

ユースホステル「トイピルカ」のご主人(ペアレント)に送迎してもらいました。
ご主人は初老の男性で、小柄だけど頑強そうな人でした。

畑に囲まれた道を抜け、細い道を入っていった先に「トイピルカ」はあります。
宿は趣のあるログハウスで、ヒノキの良い香りがしました。

リビングに行くと、ゴマサブローという名前の犬にあいさつ。
撫でてみたけど、ゴマサブローは眠そうな顔のままで、ほとんど反応がなかった。

「そいつはもう、すっかり年なんだよ」と、ご主人が言いました。

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晩ご飯まで時間があったので、外を散歩。
周辺には広大な農地が広がっています。

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一本の坂道を登っていくと、丘の上から夕日が見られました。

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今日も、いい景色がたくさん見られて大満足でした。

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午後6時半、夕食。この日、フキの煮物が出ました。
フキを食べるのは初めてだけど、シャッキリした歯ごたえと、野性味あふれる苦味が美味でした。

夕食中、ご主人たちと会話。
ご主人と奥さんの2人は、以前は屋久島に住んでいたこともあるそうです。
とても良い場所だけど、台風が多かったり、羽アリが大量発生したりで、決して住みやすい場所ではないそうです。


夕食後、お風呂に入ってから就寝。

明日の予定は未定。明日もここに泊まるため、なにもせずにゆっくりするのもありかな。

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