北海道・電車で一周の旅

【北海道・電車で一周の旅】 東の最果て、根室へ ~6日目


釧路で勝手丼を食べる~5日目から

東のはての町!根室を目指そう

朝8時半起床。今日は東の果てにある町、根室へ向かいます。

午前11時、根室行きの電車が発車。電車は一車両しかない小さなもので、おもちゃのプラレールのようです。

霧が立ちこめる林を電車は進んでいきます。
車窓からはたまに鹿の姿が見られました。電車は鹿よけのためか、
時折ピーッという警笛を鳴らします。

トンネルに入る際に電車は必ず警笛を鳴らしていたけれど、
もしも鹿がトンネルの中に迷いこんでいた場合どうなるのでしょうか?

トンネルを走っている間、いつ鹿にぶつかって「ドンッ」という衝撃音がするのかと、
気が気でありませんでした。

窓の外にはじめじめとした湿原が広がっており、どんどん人里を離れていくのを感じます。

根室に到着

2時間後、根室駅へ到着。駅舎には手書きの英会話教室のポスターが貼られていました。

駅を出た瞬間、凍てつくような風が吹き付けてきます。
空は暗く周囲は霧に包まれていて陰鬱な天気。ここが日本の最果てということを実感しました。

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駅のそばにあるバスターミナルに行くと、東の果て「納沙布(のさっぷ)岬」行きのバスに乗車。
乗客はわたし1人だけでした。

印象的だったのは根室の町中いたるところに「北方領土を返せ!」
と書かれたポスターや看板が設置されていたこと

市役所から郵便局の建物にもそういった垂れ幕が下がっており、これが街全体の意志なんだなと感じます。

かたわらには海、かたわらには草原が広がる吹きさらしの地には、何軒もの民家が建っていました。
また納沙布岬へ向かう道路にも、北方領土返還に関する立て札を発見。

午後2時10分納沙布岬に到着。運賃は1,040円でした。

岬は駅よりもさらに寒くて、思わず身震いしてしまうほど。
あまりの冷たさに頭が割れそうだと思ったほどです。
調べてみると根室では6月でも、気温が10°を下回ることがあるのだそう。

あまりにも寒いので来たそばから帰りたくなったけれど、
帰りのバスが来るまであと1時間ほどありました。

とりあえず近くにあったおみやげ屋に避難。
店中では大勢のロシア人たちが買い物をしていました。駐車場には観光バスが何台も停まっているし、
ロシア人に人気なのでしょうか。

おみやげ屋を出ると岬の突端へ。霧のせいで北方領土は見えませんでした。

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四島(しま)のかけはしという、アーチ型のオブジェがあったので撮影。

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また岬の周辺には野良猫たちがいました。東の果てにも住んでいるなんてたくましいな。

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ひと通り散策が終わると、東光という名前の食堂へ。

店に入るとサービスのカニ汁が振る舞われました。このおもてなしは
涙が出るほどのありがたさ。寒さのせいで、お椀を持つ手がブルブルと震えます。

テーブルに着くとカニ雑炊を注文。
カニ雑炊は卵のふんわりした甘みとカニの塩味が一つになって、絶妙なおいしさ。
寒い中で雑炊を食べていると、体の芯からポカポカと温まって幸せな気持ちでした。

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外に出ると北方領土記念館を訪問。
そこには北方領土がロシアに奪われた経緯について書かれた本や、
北方領土返還の署名がありました。署名は、2013年時点で8,501万票も集まったよう。

根室をたずねるまで自分はあまり北方領土について感心がありませんでした。
たしかに戦争のどさくさでロシアに土地を奪われたのは良くないけれど、
こんな辺鄙な場所そこまでして取り戻す必要があるか? と。

でも実際に根室を訪れてみて、感じたことがあります。確かにここは辺鄙な場所かもしれないけど、
そんな辺鄙な場所を開拓した先人たちの苦労を考えると、土地を取られたことが無性に悔しくなるというか、
それこそ「北方領土を返せ!」という気持ちになるのです。

続いて「根室市物産観光センター」に行くと、トドやアザラシなどの、根室に住む動物たちの剥製を鑑賞。
トドみたいな巨大な生物がこの近辺に住んでいるなんて、なんて荒々しい世界なのだろう。
でも、アザラシの剥製はとても愛くるしかったです。

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近海に住む魚たちの剥製もあったけど、厳しい環境で住んでいるからか、
どの個体も大きくて、モンスターのような迫力にあふれていました。
まるで「川魚なんて、目じゃないぜ」といわんばかり。

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風防のあるバス停に避難すると、帰りのバスを待ちます。

バス停の向かいにあるカニ屋にはスピーカーが設置されていて、
ラジオのニュースが大音量で流れていました。
この最果ての地でどんなニュースが流れているのだろうと耳を傾けてみると、
「次のニュースです。川越シェフが経営するレストランで水が800円で提供され、
そのことについて批判が起きた問題についてですが……」

東の果てでこんなニュースを耳にするとは思わなくて、とてもおかしな気分になりました。

午後3時10分。バスが到着したので、喜び勇んで乗車。
窓際にもたれかかってうとうとしていたら、帰りはあっという間でした。

根室駅のバスターミナルでトイレに行くと、洗面所の蛇口からお湯が出てびっくりしました。

スマホで今日泊まる宿を探すも、なぜかどこも満室。
観光案内所に紹介してもらい、やっと宿が見つかりました。

ホテルは古く、昭和からそのままタイムスリップしたような内装。
中は薄暗く、埃っぽい臭いがします。

部屋でしばらく休憩したあと、近くの港へお散歩。
波止場の防波堤に上ると、干潟をぼんやり鑑賞しました。

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雨に降られながら、ホテルのはす向かいにあるセイコーマートで買い物。
北海道ではセイコーマートというコンビニが幅をきかせているらしく、至る所で見かけました。

すっかり夜もふけた頃。
何気なく窓の外を見ると、車一台通らない大道路に、ひたすら雨が降りしきる光景が広がっていました。

古びたホテルで、人気のない景色を眺めていると、まるで人類がいなくなった世界にいるかのよう。

明日は釧路へ戻り、そこから北上して摩周へ行く予定。

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