100km歩くウルトラウォーキング

24時間歩けますか?地獄の「ウルトラフリーウォーキング」に参加してみた (その1)


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104kmを踏破せよ。ウルトラフリーウォーキングに参加

2018年、3月17日、午前10時。
「それでは霞ヶ浦一周ウルトラフリーウォーキング、スタート!」
号砲とともに、119人の参加者がいっせいに歩き出す。

ここは茨城県の霞ヶ浦という湖。
「霞ヶ浦一周ウルトラフリーウォーキング」は、周囲104kmの湖を、29時間以内に歩ききるレースです。

人間の歩く時速は約4km。つまり26時間歩けば、104kmを歩ける計算になります。
聞くだけで「無理!」と言いたくなるような、過酷なレースです。

「こんなレースに参加する奴は、よほどの変人だな……」
そのレースの参加者の中に、自分はいました。

なぜ参加したのか?

参加した理由は、歩くのが得意だったからです。(東京~京都500kmを踏破した経験あり)
もうひとつの理由は、自分の限界にチャレンジしてみたかったから。

自分の歩いた最長距離は、東京~横浜の38kmで、104kmも歩けるかどうかはわかりません。
3日ほど悩んだ末、レースに申し込みました。(参加費12,000円)

川口運動公園~1stエイド(10:00・0km・0時間)

いよいよレーススタート。川口運動公園を出発します。
レースが始まった時に感じたのは、「よし、がんばろう」ぐらいの軽い気持ちでした。

レースが始まって、いきなり衝撃を受けました。参加者の歩く速度がとても速いのです。
「えっ、そんな速さで歩いてバテないの?」
心配する自分をよそに、先頭集団はあっという間に視界から消えていきました。

自分はというと、ビリからのスタート。
レースの最後尾を歩く、運営スタッフのギリギリ前を歩くような状態でした。

「最後尾のスタッフに追い抜かれたらゲームオーバー」というルールはないけれど、
ビリというのはとにかく焦ります。
でも経験上、ウォーキングでは「焦らないこと」が肝心。
ペースを変えず、最後尾のスタッフ(「しんがりマン」と名付けました)の手前を歩きました。

制限時間29時間のレースは、まだ始まったばかり。

90分後、1stエイドの「セブンイレブン阿見掛馬店」に到着。

エイドとはコンビニに設置された補給地点で、水や軽食が出されます。
ビニールシートが広げてあるため、座って休むことも可能。
もちろんコンビニで買物してもOKなので、食べ物や飲み物に困ることはありません。

霞ヶ浦ウルトラウォーキングでは、計10箇所のエイドがあり、道中の目安にもなります。
トイレ休憩をすると、すぐに出発。

1stエイド~2ndエイド(11:30・7km・1時間30分)

のどかな道を歩きました。

その日は天候に恵まれ、うっとりするような晴れ空。
天気予報だと、大会の前後日が雨。奇跡的に天気に恵まれた1日でした。

ちなみにこの大会は雨天決行です。もし雨が降ったら、ツアーの難易度は劇的に高くなりそうです。
道中では、桜、菜の花、つくしが見られ、春が感じられました。

13時30分、2ndエイド「ローソン稲敷佐倉店」に到着。

エイドでは、味噌汁にそうめんを煮込んだ料理が出ました。
長時間歩くと胃が食べ物を受け付けなくなるので、そうめんはとても食べやすかったです。
水分を補給すると、すぐに出発しました。

あまり休憩を取らないのは、ビリを抜けたかったのもありますが、
「あまり休むと筋肉が固まってしまう」「歩くペースを崩さないため」といった理由もあります。
今はとにかくあるき続けて、体にリズムを覚えさせたい状態。

2ndエイド~3rdエイド(13:30・18km・3時間30分)

すでに4時間近く歩いているけれど、調子は可もなく不可もなくといった感じ。

14時50分、3rdエイド「ファミリーマート稲敷浮島店」に到着。
ここらへんでビリも脱することができて、気持ちに余裕ができました。

さすがに疲れて来たので、腰を下ろして休憩。
足がしびれてジーンとするような、熱をこめてジンジンするような、心地よい疲れを感じます。

3rdエイド~4thエイド(14:50・30km・6時間50分)

ウォーキングハイになる

3rdエイドを出て歩き始めた瞬間「それ」はやってきました。

今までの疲れが嘘のように吹き飛んだかと思うと、体中が軽くなって、スイスイと歩けるように。
気分は幸福感でいっぱいで、大声で歌いたくなるような気分。

文字に起こすとキケンな感じがしますが、これは長時間歩いていると訪れる「ウォーキングハイ」の状態です。
これがあるから、長距離ウォーキングは「辛い」の一言では片付けられません。

「稲敷大橋」と呼ばれる橋を通過。イネ科の植物が川岸いっぱいに生えていて、
夕日を浴びて黄金色に輝いていました。

ここで初めて、霞ヶ浦の道を歩きました。
青い空の下、静かな湖畔を歩いていると、
過酷なレースに参加していることをちょっとだけ忘れられます。

日没後も歩く

時刻は17時。これから日が沈み、そこから日が沈んだ後も歩き続けるということを考えると、
ちょっと気が遠くなります。
そして「もう9時間も歩いているのに、全行程のまだ半分も歩けていない」という事実も、重くのしかかります。

やがて日は沈み、辺りは薄暗闇に。少し心細い気持ちでした。

18時 4thエイド「セブンイレブン潮来永山店」に到着。

ここまで歩いて、ようやく39km。
両足はジンジンと熱く、パンパンに張っている状態。さらに左足が痛いのも気になりました。
これ以上歩くとどうなるのか、自分はどこまで行けるのか。未知のエリアに突入します。

4thエイド~5thエイド (18:00・39km・10時間)

日が沈んだため、ヘッドライトを装着。足元を照らしながら歩きます。
ちなみにヘッドライトは必須アイテムで、忘れると失格です。(持ち物検査はされなかったけど)

少しずつ足取りが重くなっているのを感じながら、ひたすら前へ。
まだ大丈夫だなと思えたのは、精神に余裕があったから。
「絶対にゴールしてやる!」「リタイアなんて死んでもしない!」「自分の限界に挑んでやる!」
といった負けん気が体の中で燃えていて、体の疲れをカバーしていました。

50km通過する

20時40分。
あたりが完全に暗くなり、5thエイド「セブンイレブン行方荒宿」に到着。

この時点で51km。「ここでやっと半分」と考えると、正直気の遠くなる思いです。

5thエイドではインスタントのカレーライスが振る舞われました。

疲れているし、お腹も減っているのに、まったく食べられない状態。これはあまり良くない兆候です。
代わりにようかんやゼリーなどの行動食を多めにとると、出発。

ちなみにこの5thエイドに24時までに到着できないと、足切りになります。
時刻はまだ21時。時間的にはまだまだ余裕。

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